web制作やサービスを作る際は、そのプロジェクトに関わる関係者が沢山います。
その関係者が共通の認識を持てるように、またユーザーをより理解するために様々なツールを利用します。
その中でも今回は「カスタマージャーニーマップ」について解説していきます。
目次
カスタマージャーニーマップとは
カスタマージャーニーマップとは、顧客(ユーザー)がどんな課題をもって、どういう行動をとり、どういった経緯でサービスを利用するか、といった、サービスを利用する体験すべてを可視化したツールです。
カスタマージャーニーマップを作る目的
カスタマージャーニーマップはユーザーの理解をより深めるために作成します。
当然ですが、サービスを作れば、必然的にユーザーに見てもらえる訳ではありませんよね。
「どういうときにサービスを利用するか」を明確にすることで、宣伝の仕方や戦略も考えることが出来ます。
そして、カスタマージャーニーを作成することで、サービスに関わる関係者が、共通のイメージを持てるのも利点です。
また、マップとして可視化することで、今までなかった視点や気づきを得ることも出来ます。
まとめると、カスタマージャーニーマップを作成する目的は下記3つです。
- ユーザーへの理解を深めることができる
- 関係者が共通のイメージを持つことができる
- 新たな視点や気づきを得ることができる
カスタマージャーニーマップの作り方
ユーザー調査、クライアントリサーチ、ペルソナ作成を行なってからカスタマージャーニーマップを作成していきます。
ペルソナについては、下記記事をご覧ください。↓

サービス・プロジェクトによってマップを構成要素は変化しますが、基本的には下記6つを定義することが多いです。
- フェーズ
- チャネル(接点、タッチポイント)
- 行動
- 思考
- 感情
- 課題、解決策
一つずつ詳しく紹介します。
まずは下のECサイトを想定した、カスタマージャーニーマップの例を見てみてください。↓
左から右に、サービスを利用する一連の体験・経緯を定義していきます。
フェーズ
サービスに関心をもってから、実際利用するまでの段階を表しています。
- 興味・関心
- 比較・検討
- 実際に利用
- 利用した後
これらは、インターネット時代の広告受容モデルであるAISAS(アイサス)に沿ったながれでもあります。
AISAS(アイサス)は、下記5つの項目の頭文字をとった略称です。
- Action(注目させる)
- Interest(興味を持たせる)
- Search(探求させる)
- Action(購買に至る)
- Share(情報の共有)
AISASについては下記記事もご覧ください。↓

チャネル
チャネルは、接点・タッチポイントが何かを表します。
例えば、ツイッターやインスタグラムなどを閲覧していてサービスを知ったなら、チャネルは「SNS」になります。
他にも、テレビCMやバナー、インターネット検索なども考えられます。
行動
「行動」はそのままですが、ユーザーがどういった行動をとるか、を表します。
これを定義しておくと、ユーザーの抱える問題・課題を把握できる手がかりにもなります。
詳しく定義すればするほど良いでしょう。
思考
ユーザーがどういった思考、思いを持っているかを表します。
具体的には、「〜したい」といった欲求や不満・不安要素を定義していきます。
「行動」と同様に、ユーザーの抱える問題・課題を把握できる手がかりにもなります。
詳しく定義すればするほど良いでしょう。
感情
「感情」はユーザーの感情の起伏(テンションの上がり下がり)を表します。
先ほど上記で紹介したカスタマージャーニーマップ例では、文字ベースで表していますが、感情がわかるイラスト・アイコンで表すことも多いです。(下の画像を参照)
また、感情の上がり下がりをより分かりやすくするために、「感情曲線」を利用することもあります。↓
課題
上記の例では、この段階で考えられるサービスの「課題」を表しています。
より詳しく定義するのであれば、
- ユーザーが抱える課題
- この段階で考えられるサービスの課題
上記2つの課題を定義しても良いでしょう。
解決策
「解決策」では、先ほど定義した課題に対しての解決策を表します。
サービスに「どういった機能を持たせるか」「どういった要素を取り入れるべきか」などをより鮮明に考えることが出来ます。
おすすめ本
今回参考にしたおすすめ書籍はこちら!↓
参考書籍|Webサイト、これからどうなるの?
著者/こもりまさあき、栄前田勝太郎、坂上北斗、塚口祐司、前川昌幸、松田直樹
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web業界の動向、全般的知識を身につける上で、非常に役立つ情報がたっぷり書かれています。
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