web制作は、本来一人でやるものではなく、チームで制作します。
ディレクションの段階で、実際現場で使われているツールや設定することは沢山あります。
その中でも今回は「ペルソナ」について解説していきます。
目次
ペルソナとは
ペルソナとは、webサイトやサービスを制作する際に設定する、具体的な顧客モデルのことです。
プロジェクトを進める上で、サービス・webサイトを制作するディレクターやクライアント、デザイナーなどの関係者が、サイトに関する方針・方向性やイメージを統一するために必要とされています。
ペルソナの重要性
サービスや商品は、それらを利用するユーザーの、なんらかの課題を解決するために存在します。
つまり、「ユーザーはどんな問題を抱えていて、どうすればそれを解決できるのか」を把握するのが重要になってきます。
これをイメージするためには、実在すると感じられる具体的な人物像=ペルソナを設定し、ユーザーへの理解を深める必要があります。
また、ペルソナを設定するのは、プロジェクトにおいて、サイトやサービスに関する方針・方向性やイメージを共有するためでもあります。
具体的には、クライアント(=制作を依頼した側)にはどんな課題があって、何を目的にwebサイトを作成するのか(売り上げ拡大や認知度向上のため、など)。
そのwebサイト・サービスは具体的に誰のためにつくるのか(=ペルソナやターゲット)。
最低限、これらは関係者の共有認識として、知っておくべきです。
デザインの観点でいうと、
基本的にディレクターがデザイナーに「こうしてほしい」といった指示を出して、デザイナーは制作を開始します。
しかし、この認識が共通していないと、「ディレクターがイメージしていたデザイン」と、「デザイナーが制作したwebデザインのイメージが違う」といった問題が発生し、無駄に作り直しをしたり、制作に手間・時間がかかってしまいます。
デザイン制作にとりかかる前に、デザインの方向性、雰囲気、どういったサイトなのかをしっかり把握した上でデザインするのは非常に大切です。
こういった無駄な手間を省くためにも、ペルソナなどのユーザーに対する理解を深めるツールを作成するのは重要です。
ペルソナとターゲットの違い
ペルソナとターゲットの違いは、人物像の深さ(どれほど具体的か)にあります。
「ターゲット」は人物像にある程度の幅があります。
例えば、20代から30代女性や、40代会社員男性などです。
一方で、「ペルソナ」は、実在するレベルで、より具体的に人物を設定します。
例えば、名前、年齢、勤務地や仕事内容、趣味・嗜好、休日の過ごし方まで細かく設定していきます。
ペルソナを設定するメリット
ユーザー視点で考えることができる
ユーザーへの理解が深まることによって、抱える課題やニーズを明確に認識できるようになります。
「どんな情報を必要としているのか」など、ユーザー視点を持ったアイデアが生まれやすくなります。
判断に一貫性が持てる
プロジェクトの関係者各々がイメージしたターゲットで話し合いを進めてしまうと、意思決定に時間がかかってしまいます。
理由は、「伝えるべき情報・必要な要素」が、各々想定したターゲットによって変わってしまうためです。
具体的な人物像を設定した「ペルソナ」を明確にすることで、関係者全員が一貫した判断を下すことができるようになります。
ペルソナの設定方法
情報収集・調査
ペルソナを作成する際は、ユーザー像に近い人に関する情報を収集する必要があります。
情報収集・調査をすることで、よりリアリティあるペルソナを作ることができます。
情報収集・調査の手段としては、下記などが挙げられます。
- インタビュー
- アンケート
- アクセス解析データ
- 公開されている調査データ
これらで収集したデータをもとに、価値観やライフスタイルなども設定していくことで、より具体的なユーザー像を作り上げることが出来ます。
人物の写真も用意して外見も作成しておくと、より鮮明にイメージしやすくなります。
ペルソナの例↓
定期的に見直し、修正する
ペルソナは一回設定して完了ではありません。
日々ユーザーが求めているもの、世の中の動向も変化していきます。
また、実際にサービスを利用するユーザーとペルソナに差がある場合は、実際利用しているユーザーに近い設定にペルソナを修正する必要があります。
おすすめ本
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参考書籍|Webサイト、これからどうなるの?
著者/こもりまさあき、栄前田勝太郎、坂上北斗、塚口祐司、前川昌幸、松田直樹
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web業界の動向、全般的知識を身につける上で、非常に役立つ情報がたっぷり書かれています。
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