今回は、2019年に読んだ本の中で一番おすすめの一冊を紹介していきます。
その本とは『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』です。
この本の著者は、複数の会社を創業し、そのうち一社を上場させた経験もある「ふろむださん」という方で、真面目な人の頑張りがなぜ報われないのか、そして人生をうまくいかせるためには何が必要なのかを脳の性質、そして人生のしくみという観点から解説している本になります。
本当にオススメの一冊なので是非お楽しみください。
社会に実力主義は存在しない
突然ですが、皆さんはこう思ったことはありませんか。
「なんであいつは俺より評価されるんだ、俺の方が実力があるのに報われないのはおかしい」
これに対するふろむださんの答えはとてもシンプル。
「実力主義なんて存在しないから」
これをわかりやすく説明するために学生と社会人、それぞれの成功のルールを比較していきます。
まず学生時代はほぼ実力主義ですよね。
勉強ができれば試験で点数が取れ、ほぼ自分の実力に合った大学にも行ける。
このように実力が大半を占め、その上に少しだけ運が載っている形になります。
しかし社会人になると成功・失敗を決める要素は大きく変わります。
まず運が占めるウエイトが増え、実力が占める割合が大きく減少。
そして最後に最も大事になる成功の要素が、自分を凄そうに見せる何か。
ふろむださんの言葉で言うと、錯覚資産です。
この錯覚資産があるかないかで、人生はイージーモードの神ゲーにもなるし、ハードモードのクソゲーにもなるというのが、ふろむださんの主張。
錯覚資産
では、その錯覚資産とは一体何なのか。
簡単に言うと、それがあることで自分をすごい人だと見せてくれる何かです。
例えばそれは売上を半期で70%上げたという数字的な実績だったり、大手企業の営業部長という肩書きだったり、Twitter のフォロワー数1万人だったりなど、たとえそれが自分の実力ではなく、同僚や部下や顧客または運とタイミングのおかげで達成できたとしても、それが錯覚資産となります。
しかしなぜ錯覚資産がこれほどまでに重要なのか。
それは人は無意識に直感で人を判断するからです。
例えば1974年にカナダで大規模な選挙が行われました。
そしてこの選挙を調査したところ、イケメンの政治家たちはそうでない政治家の2.5倍も票を獲得したことが分かったのです。
これはイケメンが人気という当たり前の結果ですが、重要なのはその理由。
イケメンに投票した人たちのなんと73%は投票したのは彼がイケメンだからじゃないと思い込んでいたのです。
つまり自分が気付かないうちにイケメンという特徴が、その人が全体的に優れているという直感に変換され、そして全体的に優れているというイメージを持ってしまうとその候補者の人柄も政策も全て優れているように見えてしまい、イケメンの圧勝につながった、という仕組みです。
さらにこれはイケメンや美女に限った話ではありません。
先ほど説明した錯覚資産についても全く同じです。
例えばとある企業家が一つのサービスをヒットさせたとしましょう。
そうすると多くの人はこう考えます。
「この人のサービスがヒットしたのはこの人が優秀だからに違いない」
そのため彼が次に出すサービスが実はダメダメだったとしても、周りの人はヒットする可能性が高いと錯覚しますよね。
その結果、勝ち馬に乗ろうと多くの優秀な人材が集まり資金も集めることができる、優秀な人材がサービスを改善する中、資金があるから改善を何度も繰り返せる。
その結果、一度の成功が次の成功確率を何十倍も何百倍も高くさせ、確率が高い状態で新たな成果を生むことができる。
それがまた大きな錯覚資産となり次の成功確率も上がっていく。というサイクルです。
しかしここで、「実力を伸ばさずに錯覚資産で成功するなんて卑怯だ」という人もいるかもしれません。
しかし実は実力を伸ばすために最も重要なものこそが錯覚資産です。
まず実力とは一人で効率よく伸ばせるものではありません。
良い上司・同僚・部下・良いポジションという良い環境に恵まれて初めて順調に伸びていきます。
そしてそのような環境が手に入るかどうかは実力より錯覚資産があるかどうか。
例えばあなたが上司だったとして、自信なさげで頼り甲斐がない部下と何かわからないけど自信ありそうで凄そうな部下だったら、後者に大事な仕事を任せますよね。
簡単に言うと、実力があるから良いポジションが手に入るのではなく、実力があると周囲が錯覚するから良いポジションを手に入れられる。
そうすると仮に現段階では凄いと勘違いされてるだけの人材だとしても、先輩から丁寧な指導を受け、重要なプロジェクトを任され続けたら2年後には誰よりも実力がついていますよね。
そしてこれをより良い環境を得るためにも、実力をつけるためにも、そして成功するためにも錯覚資産は必要不可欠だということがわかったと思います。
錯覚資産の作り方
しかし実力が乏しい状態でどうやって錯覚資産を作ればいいのか。
これに対する一番簡単な答えは、まずは色んなことに小さくかけることです。
錯覚資産になりそうな仕事や役割に積極的に手を挙げ、チャレンジし小さくてもいいから錯覚資産を手に入れようとする。
サイコロと同じで何度もを振り続けるうちに自分が出したい目が出ることがあります。
そしてたまたま上手く行って、錯覚資産を手に入れたらそれを使ってより良い環境を手に入れ、そこでさらに大きな錯覚資産を目指す、という流れです。
なのでまだ実力がないからと尻込みをして簡単な仕事をこなすのではなく、
「俺なんとかするんで、その仕事待たせて下さい」と手をあげたり、
こんなん誰がやっても数字出るだろう、というような勝ち馬に乗れる案件は全力で受けるというふうに、まずはサイコロを振る回数を増やすことがとても重要です。
そうするとその錯覚資産により次の成功確率が少し上がり、それを続けることで今の自分では想像もつかない大きな挑戦の成功確率が上がります。
是非この本を参考にいろんなことにチャレンジしてみてください。
そしてここまで簡単にこの本をまとめてきましたが、この本の大事なエッセンスは他にもたくさんあり、実際に手に取って読んでもらいたい一冊です。
特に錯覚資産のような思考の錯覚に自分自身や自分の決断が惑わされない方法論などはとても参考になりました。
ぜひ本の方も読んでみてください。
おすすめ書籍
人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている
商品説明
実力を磨くよりも、はるかに人生を好転させる「錯覚資産」とは何か?
誰もが一度は思う「なんであんな奴が評価されるんだ! ?」の謎を解き、「誰にでも使えるズルい武器」として解説する異色作。
過去5年で読んだ中で、一番インパクトを受けた本。この本の手法を使うことで文字通り人生が変わると思う。何度も読者に「この世界のルールをきちんと把握した上で、自分の頭できちんと考え適切に振る舞わないと、この世界で食い物にされる」ということを突きつけてくる非常に興味深くかつ怖い本でもありました。
出典:amazonレビュー
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