今回はとある有名な話から紹介したいと思います。
その話の名前は「コップの水」。
一人の心理学者が抗議で語ったエピソードです。
その心理学者は講義の受講者の前に立つと、半分だけ水が入ったコップを持ち上げました。
そこにいた誰しもが、水が「もう半分しかない」と捉えるか、もしくは「まだ半分残っている」と捉えるか、という話をすると思っていました。
しかし彼女は意外なことにこのように尋ねたのです。
「このコップの重さはどれくらいだと思いますか?」

そうすると受講者は80g、100g、200g、というように口々に重さを言っていきます。
それに対して心理学者はこのように答えました。
「物理的な重さは関係ありません。答えはこのコップを持ち上げている時間です。」
もしコップを1分持つだけだったら何も問題はありません。
ですが、1時間もっていたらどうでしょう?きっと腕が痛くなってしまいますよね。
さらに1日持ち続けたら腕の感覚はなくなってしまいます。
この間、水の重さは変わったわけではありません。
しかしコップを持つ時間が長くなればなるほど重く感じていくのです。
さらに彼女はこのように続けました。
「人生におけるストレスや不安はこのコップの水と同じです。少し考えたくらいでは何も起こりません。しかし悩みにとらわれ始めると痛みを感じるようになります。
そして一日中考え続ければ、あなたの思考は麻痺を起こし、他のことは何もできなくなってしまいます。」
「なので大事なのはコップを下に置くこと。これを決して忘れないで下さい。」
この話はストレスや心配は溜めすぎてはいけないというシンプルな教訓を伝える話ですが、これを実践するのは難しいという人も多いですよね。
なのでそれを解決するためのヒントを一つお伝えします。
目次
情報オーバーロードを解決する
それは情報オーバーロードを解決することです。
情報オーバーロードとは、情報過多によって意思決定が麻痺している状態のこと。
現代人が1日に触れる情報量は平安時代の一生分、江戸時代の1年分と言われ、我々の脳が感じているストレスは人類史上最大と言われています。
これらは当然ですがスマホのせいです。
例えば Twitter やインスタを開けば秒単位で大量の情報が入ってきます。
そして脳は無意識のうちに情報を捉え、自分にとって重要であるか判断してくれる優秀なシステムです。
だからこそ何も考えずスマホを見ているつもりでも、脳は大量の情報処理を続け慢性的な疲労状態になってしまいます。
コップの例でいうと、常にコップ一杯の情報を持ち上げて、疲れ切っている状態。
そしてこれに陥ってしまうと二つのデメリットが生じます。
デメリット1:イライラすること
一つ目のデメリットは、単純にイライラすること。
これは当然のことで、常に脳が疲れていてモヤモヤした状態で物事を前向きに捉えることは難しいですよね。
よく、スマホをやめたらイライラが消えて楽になった、という体験談がありますが、それは脳が常に持ち上げていた情報のコップを下すことができたということになります。
デメリット2:ストレスのコップを降ろせなくなる
そして、情報オーバーロードの二つ目のデメリットは、他のストレスのコップもおろせなくなることです。
人生には様々なストレスや不安が押し寄せてきます。
仕事や人間関係将来への不安など挙げればきりがありません。
そしてそのような問題に直面した時に、情報オーバーロードによって脳が既に疲れた状態でいると、正しい意思決定が難しくなってしまいます。
疲れている時に悩みを解決しようとしても堂々巡りになって、さらに疲れてしまうというパターンは多いですよね。
その結果、ストレスのコップ下ろせないまま、どんどんコップの数=悩みの数だけ増えていき、慢性的なストレス状態に陥ってしまうというのが最悪のパターンです。
なので大事なのは脳がクリアな状態でコップを一つずつ下ろしていくこと。
多すぎる情報のインプットを止め、コップに一個ずつ向き合うとその時点でベストな答えを見つけることができます。
例えば仕事に対してストレスを感じているなら、まずストレスの原因を書き出す。
そしてその原因を自分がコントロールできること・できないことに分けます。
コントロールできることはする、できないことは今考えても仕方ない、と言うように前向きにコップを降ろすことができるという具合です。
なのでストレスのコップが溜まっている人は、
①情報オーバーロードを止める努力をすること。
②コップを一つずつおろすこと。
この2点を意識してみてください!
おすすめ書籍
ストレスを操るメンタル強化術
商品説明
本書は、メンタルが弱い人に、「強くなれ」と要求するような本ではありません。
メンタルが弱い人だからこそ持っているリソースを使って、無理なく強いメンタルを手に入れられるメソッドを提案したいのです。
そのリソースとは、 ・ストレス ・失敗と挫折 ・内向的な性格、この3つです。
通常は、ネガティブな意味付けをされがちなこれらの要素こそが、メンタルを強くする上での味方となり、武器となる。
メンタルが弱い人が自分らしい強さを手に入れ、成功するための土台になる。そのことをあなたにお伝えし、具体的なノウハウを伝授するのが本書の目的なのです。
この本を最後まで読んでいただければ、あなたが感じている自分の「弱さ」こそが、メンタルの「強さ」をつくる原材料となることに気づけるでしょう。
ここ10年ほどストレスを感じるのが嫌で、様々な心理、自己啓発本を読んできました。
出典:amazonレビュー
その中には自分の感情を無視する方法や、インナーチャイルドに行き着くもの、相手への投影といった様々なジャンルがありましたが、いまいち抽象的で、自分に落とし込めない部分がありました。ですが、こちらの本は違いました。科学的な根拠と、具体的な実践方法が書かれており、苦痛を感じる心理状態をどうコントロールしていくか、ということが書かれています。ここに書かれている全てを実践することは大変かもしれませんが、どれか一つでも継続していくことにより、よい変化が現れるのでは。そう思わせてくれた本です。